2008年08月24日
秘境・精竜の滝
札幌の西区西野地区は扇状地でありまして、琴似発寒川という川が流れています。完全にコンクリで護岸を固められた、残念な川ではありますが、ずーっと上流域までいくと、今でも深い森の中を自然に近い形で流れています(古い砂防がいくつかありますが…)。
私はこの西野育ちなので、小さいころにはこの川の上流、平和霊園の奥にある平和湖でよく釣りをしていましたし、そのさらに上流にある、平和の滝にもよく遊びに行ったものです。私にとっては小さいころからよく遊んだ、里山、里川という感じです。手稲山の登山道もこの平和の滝から川に沿うように伸びており、何度も登っています。まぁ、よく見知った土地であるわけです。
しかし、私がよく知っているつもりでいたこのエリアに、「精竜の滝」というものがあると知ったのは、去年の秋でした。滝といえば、もう見飽きるくらいに見た「平和の滝」しかないものだとばかり思っていましたが。
WEBで見つけたその滝の写真は、それはキレイなものありましたので、時期をみて訪れようと思っており、それが本日実現しました。あの滝の前にとうとう立ったのです。立ってしまったのです。

去年の秋に、この滝の存在を知った時にいろいろ調べたところ、「妙覚寺」さんというお寺のWEBサイト内にある古い資料に、この滝に関する興味深い記述を見つけました。というより、正直、ちょっと怖いお話です。この滝付近(今でも深い森の中ですが…)に、昔々お寺の道場が開設され、この滝で修行が行われていたようです。
この精竜の滝が出てくる部分をいくつか引用させていただきましょう。正直この引用部を読んだだけでは、何がなんだかわからないと思いますが、不思議な感じで、ただの滝ではなさそうだということは、伝わるかと…。
私たちが前に歩いた道、来た所がスズランの滝。この滝が精竜の滝だったのです。笹をかきわけ滝の前に来た。皆お腹がすいたといって持ってきたパンを食べだした。 私とお上人は滝を見ていた。前日見た滝より殺気があり、寒さを身に受けた。その内に私の気持が空の上に浮いていくような気持というか…気持が二つになり、滝へ走って行きたい気持と恐ろしい気持、何とも言いあらわされぬ気持になってきた。 お上人はすぐ私に気付き、私の前にツカツカと来て、「尼さん、この滝はお題目をたくさん上げ、寿量品をたくさん上げないと滝のそばへ行けないよ。行ってはだめだよ。」と二度三度言いました。 お上人の言われることもわかり、自分では「そうだそうだ」と思いながら、どんどん滝にひかれてどうすることもできず、滝の前の大石へ走るようにして来てしまう。
玉がおさまった時は気がついたら、私の手の甲から血が流れていた。滝の水で洗ったが血が止まらず、タオルをまいたが上までにじんで出てきて止まらない。
滝の玉は七つぐらいと見たがそれより多いとも考えられる。手の血が止まってから見たところカミソリのような物で切ったように見えるが、それより変に思われるのは人の顔に切れていること。マユ、目、耳、鼻、口とヒゲまでついて切れていることだった。
この日はお滝へ二度水行に行く。 ところが、お滝の流れの急なところから一個の石がコロコロと、木の葉が水の中で舞うようにして舞いながら流れて来たと言うか、コロガッテきたというか、手に取って見たところ人の顔に見える。持って帰ろうと思ったらまた一個。二個ともはっきり人の顔でドクロの顔。持ち帰り御宝前に供えました。
今は一日四回の水行。今日もお滝よりドクロの石が手に入り三体となりました。
この滝で今の定山渓の温泉を探し当てた方が死んでいるらしいとの事で、一本の棒グイを立てて、それには定山坊入寂の地と書かれてあります。
定山坊さんという方は、岡山県の生まれで父は繁昌行弁という僧侶の次男坊で、17歳で諸国行脚の旅に出、名ある霊山を遍歴し高野山で数年修行。コースを北へ北へと取って奥州路に入り伊達公城下町仙台。隣国の庄内東北羽黒山。湯殿山、更に秋田地方を遍歴し故郷を出て十数年をすごし、安政三年津軽の海を越え松前の福山で修行していたが文久元年の春小樽郡張碓村に現れた時は47歳、ここに前後12年をすごし慶応年間のある日、アイヌから春香の遥か山奥に天然の温泉が湧いて川に流れている事を聞き、それこそ自分の求めている霊泉に相違ないと早速山深く分け入り漸く登り着いた所がゴウゴウたる川の流れで、そのすぐそばに湯煙を上げている温泉があったというのです。それが今日の定山渓であり、川は豊平川の上流であります。
かくて明治11年の歳の暮れに定山坊さんは新年の松を採りにオンコの山へ行くと言うて出かけたまま消息を絶たれ永遠に知ることもなく今日に至ってますとの事ですが、このオンコの山はこの精竜の滝の近くにあるのです。
場所を探していたときに尼さんが、「お滝にくると私を見ている人がいる」と言われました。怪しげな人がいるのかと考えていましたら、「人というか、全身緑色の人が立って、遠くからこっちを見ている」と言いました。 これは霊的なことと感じましたので、辺りを見回しました。確かに立っていました。緑色の上下の服で太い横島があります。帽子のようなものも緑で、尼さんを心配そうに見守るように立っていました。私は細い人だなと感じ、尼さんにいましたよと言おうとしたとき、「見るんでない、もう見えなくなるよ」と口早に言われ、一瞬いけないことをしてしまったと思いました。 案の定、それっきり姿をみることはできませんでした。草の丈は一メートル以上あり、そのなかからヒョットおなか辺りから見えましたので、身長は二メートル以上はあったのでしょう。 ほんの瞬間のできごとでしたが顔の表情は今でも覚えています。見るんでないという言葉に私と緑の人は目と目があってしまい、緑の人の寂しそうな顔に変ったのを感じながら目をそらしました。 尼さんは、「もう姿は見せないね」と言って、「お滝に来たときは私を守っていてくれたんだよ」とポツリと言いました。「申し訳ないことをしました」。「いいんだよ」と立っていた方を見、それからあたりをじっと見回していました。
引用元は、妙覚寺さんのWEBサイトです。
この滝は、琴似発寒川ではなく、その支流の宮城の沢というところにあります。平和湖から川を上って数百メートル行ったところで、分岐しており、上流に向かって左側の沢が、宮城の沢です。しばらく上ると古い砂防があり、そこからさらに上流です。

この写真は、滝の真上。最初に間違って、滝の上に降りてしまいました。

狭い林道から滝に入る箇所に、いちおうこの標識が置かれています。赤い矢印とは逆の方向に実際の滝があるのが、間違いのもと…。この写真の奥の方向へと藪をしばらく漕いでいくと現れます。
この記事を読んで行く方はいないと思いますが、熊の住処でもあることを念のため付け加えておきます…。
- at 21:29
- by あきひと ≫ 日記
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comments
何と美しいのでしょう!!
1人で行ったのですか?すごいですね!!
行きたいけれど,きっと行く勇気がありません・・・。
ひとりで行ったよ。いちおう精神安定剤として、熊除けの鈴をぶら下げて…。沢に降りたら鈴の音なんて、水音にかき消されて聞こえないけどね。平和霊園から、林道ルートで行けば30分もかからずに着くから、そう大変じゃないけども、あまりおすすめしません。熊と幽霊が怖くないなら大丈夫。
初めまして。お邪魔を致します。
精竜の滝の情報を検索しておりましたところ、
こちらのブログにたどり着きました。
つい先日、滝まで訪問して参りました。
大都市の秘境。美しい滝ですね。
滝入口の矢印看板は、どなたか直してくれたようで
木の幹にくくりつけてあり、
一応方向が分かるようになっていました。
突然ながら失礼を致しました。
吐夢さん、こんにちは。
あの滝に行かれたのですね。
市街地から割りとすぐのところにあって、立派な滝なのに、
知る人ぞ知るって感じですよね。
紅葉のころになったら、また見に行きたいなと思いますが、
いかんせん熊が怖くて…。
こんばんは。
トラックバックならびに、コメントのご返信ありがとうございました。
紅葉期には景観は染まるでしょうか。
私もようやく見つけた滝と言う感じで、再訪が楽しみです。
日中の明るい時分であれば、クマも大丈夫そうです。
鈴が必須ですけども。
また訪問させていただきます。
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